※まさにHM/HRの黄金時代、80年代を彩った楽曲を振り返ります!
オーストラリアのハード・ロック・バンド、ヘヴン(HEAVEN)が、1983年にリリースした2枚目のアルバム『Where Angels Fear To Tread』の1曲目に収録。
80年代初期〜中期のオージー・メタルで、ワールドワイドに活躍したバンドとしては、BOSSとともに思い出されるのがヘヴンです。80年にシドニーで結成されたヘヴンは、それ以前にアデレードで結成されたファット・リップが母体となっています。
AC/DCのボン・スコットが亡くなった際に後任として名前が上がったのが、ファット・リップ、のちにヘヴンのシンガーとなるスコットランド出身のアラン・フライヤーでした。結局実現しませんでしたが、AC/DCのマネジメントをしていた人物に見初められ、ヘヴンと名を変えて82年にデビューします。
小型AC/DCと言えるサウンドは、アランの声質、歌唱がベストマッチしたものでした。デビュー作はアメリカのCBSからも発売され、ヘヴンはアメリカに渡りジューダス・プリーストらとツアーを敢行、さらにレコーディングを行ったのが本作でした。
従来のAC/DCっぽさは強く残しつつも、メロディアスな要素も加味した時代感を投影した絶妙なバランスの作風になっており、アメリカのロックチャートでも健闘しました。アルバムにはグレン・ヒューズ、リタ・フォードがバックヴォーカルとしてゲスト参加しています。
日本ではCBSソニーから発売され、邦題が「暴力教室」。収録のリードトラック「Rock School」にひっかけたんでしょうが、オビタタキに「オーストラリアから飛び出した校内暴力的ヘヴィ・メタル・グループ登場!」って(笑)。校内暴力真っ盛りの時代でしたけど面白すぎです!
今回ピックアップした「Where Angels Fear To Tread」は、オープニングを飾るタイトル曲で、グイグイとドライヴする心地よいリズムとリフ攻撃が、AC/DCの疾走曲を彷彿とさせるハード・ロック・チューンです!メロディアスなツインギターやソロパートが上手く盛り込まれて、ドラマティックな要素も少し入っているのがポイントですね〜。
結局、アルバム3枚で一度解散し、85年にミッチ・ペリー(G)とともにメロディアスな再結成作をリリースしましたが、これはストリーミング未登場です。アランは残念ながら2015年に亡くなっています。
ぜひ、一度聴いてみてください!