※これぞ80ｓ！のイメージなヘア／グラム／LAメタル／R&R系を紹介していきます。
アメリカのハード・ロック・バンド、リトル・シーザー（LITTLE CAESAR）が、1990年にリリースした1枚目のアルバム『Little Caesar』の4曲目に収録。
ナイトクラブで用心棒として働いていたという、変わり種のキャリアを持ったヴォーカリスト、ロン・ヤングを中心に、80年代後半に西海岸LAで結成されたリトル・シーザー。自主EPやメタルブレイドのコンピレーションへの参加で名をはせ、メジャーのゲフィンの子会社、DGCレコードとの契約を獲得します。
A＆Rに大物ジョン・カロドナー、プロデュースに名手ボブ・ロックという、強力な関係者を味方に完成したのが、セルフタイトルを冠した本デビュー作でした。ぎりぎり80年代に間に合わないタイミングでのリリースになりしたね。
全編を支配している無骨で飾らないアメリカン・ハード・ロックンロールは、まさに通好みのテイストを醸し出しています。渋めの声質と絶妙に強弱のメリハリをつけた、ロンによる実に味わい深い歌唱は、やはりリトル・シーザー最大の魅力といっていいでしょう。
一歩間違えると地味になりそうな音楽性なんですけど、極端にアーシーにもブルージーにもなり過ぎず十分メロディアスなのが、80sのメインストリームHM/HRを想起させ、個人的には嬉しいポイントですね～。さらにタイトでメジャー感溢れるプロダクションと、ロンの優れた歌唱力のおかげで、退屈せずに最後まで聴き通せます。
今回ピックアップした「In Your Arms」は、シングルとしてもリリースされ全米79位にチャートインした、メロウなハード・ロック・チューンです！バラードとまではいかないんですが、静かに流れる郷愁を誘う素朴なメロディが、じんわりと心に染み入ってくる佳曲に仕上がっています。
強面のルックスとは裏腹に、アルバムの随所にこうした心に響く優しいメロディを聴かせてくれますね～。アルバムはビルボード139位と一定の成功を収めましたが、オルタナ・グランジの中で、このバンドも確たる実力があるにも関わらず、例によってシーンでの立ち位置を失っていきました。
その後、ロンはエイドリアン・ヴァンデンバーグのマニック・エデンなどで活動し、2000年代に再びリトル・シーザーを再始動させています。
ぜひ、一度聴いてみてください！
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