※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
ドイツのメロディアス・ハード・ロック ・バンド、クラフト(CRAAFT)が、1989年にリリースした1枚目のアルバム『Craaft』の1曲目に収録。
80年代のジャーマン・メタル・シーンには、一般にイメージするハロウィンの流れを汲むメロパワ系でなくとも、優良なメロハー系が幾つもいました。83年にフランクフルトで結成されたクラフトも、そんなバンドのひとつですね。英語の綴りは「A」が2つあるのがポイントです。
中心人物でリード・ヴォーカルに加え、ギター、ベースをマルチに担当するクラウス・ルリーは、TOKYO、ロコの前身JOJOで活動していました。加えて、このデビュー作ではジャケットに写るレインハード・ベッセル(G、B)、フランズ・ケイル(Key)の3人が中心となっています。
プロデューサーのピーター・ホークは、古くはネクター、80年代にはトリートの『Organaized Crime』、ホワイト・ライオンの『Fight to Survive』などの名盤を担当している人物ですね。クラウスが標榜するサウンドの指向性と制作陣ががっちりかみ合って、気持ちよいほど一点の曇りもない80sメロハーの好盤に仕上がっています。
ポリシンセや打ち込みを効果的に多用したカッチリとしたデジタル風味に包まれた音作りが特徴で、その辺りにジャーマンらしいセンスを感じさせます。同郷ではボーイズ・ヴォイスやジャンルは違いますけど、ネーナ辺りに近い印象をうけますね。
今回ピックアップした「I Wanna Look In Your Eyes」は、アルバムのオープニングを高らかに知らせるように、イントロから爽快なポリシンセの音色が鳴り響く、ジャーマン流儀のポップなメロディアス・ハード・チューンです!
シンセドラムとフック満点の分厚いコーラスのアレンジが、80sを強烈に醸し出していますし、ゴージャスなサウンドメイキングは、メジャー感に溢れていますね。本国では実際にメジャーのエピックからのリリースだったものの、日本ではピックアップされず。日本デビューは91年の3枚目まで待つことになりました。
ストリーミングでは現時点で本作のみが解禁されています。
ぜひ、一度聴いてみてください!