※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます！
アメリカのメロディアス・ロック・バンド、スターシップ（STARSHIP）が、1989年にリリースした、スターシップとしては3枚目のアルバム『Love Among the Cannibals』の2曲目に収録。
来年の年始早々に来日公演が決まったジェファーソン・スターシップ。以前、彼らの名曲「Jane」をご紹介しましたが、ジェファーソン・エアプレイン期からジェファーソン・スターシップ期、さらにはスターシップと、残念な法廷闘争にまで発展してしまった離合集散の歴史を正確に把握するのはなかなか大変ですよね。
ポール・カントナーと袂を分かち、一時は「スターシップ・ジェファーソン」（ややこしいなあ笑）と名乗りかけつつ、最終的にミッキー・トーマスらを中心にスターシップとして84年に分家始動しました。
心機一転というか完全に別バンドのごとく生まれ変わったスターシップは、80年代の音楽トレンドを吸収してヒット狙いの外部ライターを起用。メインストリームのサウンドに生まれ変わった『Knee Deep in the Hoopla（フープラ）』 を発表し、全米7位を獲得。シングル「We Built This City（シスコはロック・シティ）」「Sara」とバンド悲願の全米1位を連発します。
さらには87年の『No Protection』も全米12位、シングル「Nothing's Gonna Stop Us Now（愛は止まらない）」が全米1位と、ヒットメーカーとしての地位を確立しました。ところが、グレイス・スリックが再結成のジェファーソン・エアプレインに加わるため（ややこしい！）脱退。ミッキーを中心に据えて満を持してリリースされたのが本作でした。
ところが、全米64位とまさかの大ゴケ、、、。栄光から転げ落ちるように、90年に解散に追い込まれてしまいました。そんな不運な作品ですけど、個人的にはスターシップ３作の中ではダントツに好きな作品です。
前2作のように、あざとくヒット狙いをしたデジタル風味過剰なサウンドではなく、産業ロック、メロハーを基調にした、あくまでもメロディに拘った良曲がずらり並んでいます。ミッキーの色合いが出ており、彼が一番気に入っているのもうなづけますね。
どの曲も良いんですが、今回ピックアップした「It's Not Enough」は、フック満点のサビメロが光る、仄かな哀感を漂わせたメロディアス・ハード・チューンです！アルバムがこけたと言ってもシングルとして全米12位まで上昇し、ヒットメーカーの意地を見せています。
Apple Musicでは懐かしのMVも見ることができます！
ぜひ、一度聴いてみてください！
- provided courtesy of iTunes
MVはこちら！
