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【新作レビュー】マイク・スランプ(Mike Tramp)『Songs Of White Lion』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2023年4月14日、デンマークハード・ロック・シンガー、マイク・スランプ(Mike Tramp)のソロアルバム『Songs Of White Lion』がリリースされました。

 

今月のHM/ HRシーンは新作ラッシュの様相を呈していますので、もう一枚レビューを言ってみましょう~。

 

ホワイト・ライオンのシンガーとして活躍したマイク・トランプの企画ソロ作で、タイトルでズバリわかる通り、80sのシーンを席巻したホワイト・ライオンの名曲の数々を、今のマイクが歌う内容になっています。

 

これまでホワイト・ライオン名義でもリレコーディング作品を出していますのでややこしいんですが、今回はあくまでもソロ名義のもとに解釈したヴァージョンの数々が収められています。楽曲もホワイト・ライオンの黄金期を彩った初期3枚から過不足なくセレクトされた印象ですね。

 

正直この手のリレコーディング作品には、よい印象を抱いた方が少ないかもしれません。何よりオリジナルを超えることは2万パーセントあり得ず、且つ黄金期に比べて劣化した演奏やパフォーマンスを真にあたりにすると、むしろ悲しくなってしまうケースもままあります。

 

今回の企画内容を見た時も、正直同じような感情になるだろうなあと思ってました。当時でさえマイクのライヴにおけるヴォーカルパフォーマンスには疑問がありましたからね。失礼ながら期待せずに聴き始め、オリジナルからグンとキーが下がってしまったヴァージョンに、やっぱりかあ、と落胆しかけたんですが、、聴き進めると不思議と落ち着くというか、しっくりする感覚がしてきたんですね。

 

それはひとえに、ホワイト・ライオンの楽曲の良さ、メロディの良さに、改めて気付かされたからに他なりません。ピッチを下げた以外は比較的オリジナルに忠実なものも多く、マイクにしても今の自分にできる歌唱で丁寧に歌っています。

 

何よりヴィト・ブラッタらと作り上げたホワイト・ライオンの素晴らしい楽曲へのリスペクトが感じられるのがいいですね。それが単なるお手軽なカヴァー集に成り下がっていない魅力だと実感しました。

 

そんな感情を抱いた後に、マイクの本作へのコメントを見ると、さらに腑に落ちましたね。マイクにとっての80年代の経験は全てが刺激的で特別だったと後々気づいて、それから20年以上、あの時間よ再びとばかりに無理に再現を試みようとしたものの、当然ながら同じようにいかなかったようです。

 

でも今回は、ホワイト・ライオンの楽曲をできるだけオリジナルに近く、かつ小さな新しいことも取り入れつつ、若い頃の自分を追いかけるのではなく、今のありのままの自分を受け入れて誠実に歌ったということなんですね。

 

無理に昔の自分を追いかけるのではなく、今、自然体を受け入れリラックスして歌うことこそが、ヴィトと作り上げた素晴らしい曲と音楽への敬意になる気づいたのでしょう。そうした穏やかなムードが、いい形で作品に充満しているように思えました。

 

ストリーミングではオリジナル作品が細切れでしか解禁されておらず、そちらも待ちたいとは思いますが、まずはホワイト・ライオンの楽曲の良さを再確認できる意味で、一定の価値のある作品といえるでしょう。

 

今回は2曲目に収められた懐かしい「Little Fighter」をピックアップしました!ホワイト・ライオンの3枚目収録の楽曲で忘れられがちかもですけど、改めて心にじわっと染み入る良いメロディが光ってますよね。マイクの年輪を重ねてこその歌唱ぶりが、本国デンマークでソロとして積んできた確固たるキャリアを存分に感じさせてくれます。

 

聴いてほしい度

75

Little Fighter

Little Fighter

  • Mike Tramp
  • ハードロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

アルバムはこちら!

Songs Of White Lion

Songs Of White Lion

  • Mike Tramp
  • ハードロック
  • ¥1681

 

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