※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、スターズ (STARZ)が、1977年にリリースした2枚目のアルバム『Violation』の1曲目に収録。
70sのアメリカン・ハード・シーンにおけるビッグネームにはなれなかったものの、確実にその名を刻む東海岸ニュージャージー出身の名バンド、スターズ。75年に前身のフォールン・エンジェルズからスターズに改名し、キッスを始めとした有名バンドを手がける敏腕マネージャーのビル・オーコインと出会い、キャピタルレコーズと契約。セルフタイトルのデビュー作をリリースします。
日本では「巨星」と邦題がつけられたこのアルバムは、エアロスミスでお馴染みの名手ジャック・ダグラスがプロデュースを担当。セールス的には全米100位には届きませんでしたが、分かり易すぎるほどにストレートなハード・ロックで、のちに次作とともに彼らの代表作のひとつと言われましたね。
1曲目から「デトロイト・ガールズ」ですから、オーコインの影響ゆえかサウンド的にはキッスの弟分のような共通点を感じます。そんなデビュー作の余勢をかって、翌年に同じジャックのプロデュースで作られたのが本作でした。
キャッチーさを増した作風ですが、曲によってはよりヘヴィに振り切っています、さらにはブルージーな要素やバラードなどメリハリをつけた楽曲が並び、デビュー作に勝るとも劣らぬ充実作となりました。
今回ピックアップした「Cherry Baby」は、シングルとして全米TOP 40の壁を破った、キャッチーでポップなフィーリングが躍動するハード・ロック・チューンです!分厚い爽快なコーラスのサビはフック満点で、ハンドクラップやシンガロングしたくなりますね〜。それにしてもアルバムの邦題が「灼熱の砂漠」って(笑)、見たまんま過ぎません?
アルバムは全米100位内にランクインしたものの、ブレイクを果たすことなく結局78年の4作目が最後になってしまいます。ヒット性のある楽曲作りが出来て、ライヴ作を出すほどにパフォーマンスも問題なく、レックス・スミスの兄貴マイケル・リー・スミス(Vo)のイケメンぶりはアイドル性も充分でしたが、タイミングや運がなかったんでしょうか。。
あと一歩何が噛み合えばチープ・トリックのような存在になったかも?しれません。後年、ジョン・ボン・ジョヴィやニッキー・シックスを始め、著名バンドがこぞって影響を口にしているのはその証拠でしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!