※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!
日本のハード・ロック・バンド、スピード・グルー・アンド・シンキ(SPEED, GLUE & SHINKI)が、1971年にリリースした1枚目のアルバム『Eve』の3曲目に収録。
今回はジャパメタそのものではなく、ルーツ的な存在をいってみましょう~。以前、同じようにルーツとしてブルース・クリエイションを取り上げましたけど、スピード・グルー・アンド・シンキも同時代のジャパニーズロック黎明期に活動した伝説のパワートリオです。
個人的にはハード・ロックと称しましたけど、サイケデリック、ストーナー、ブルース、ラウド等、活動した時代性も相まって様々なロックの形容が用いられています。
スピード・グルー・アンド・シンキは、パワーハウスの陳 信輝(G)、ゴールデンカップスでのちにピンク・クラウドでお馴染みの加部正義(B)、フィリピンのロックバンド、JUAN DE LA CRUZのジョーイ・スミス(Ds,Vo)の3人からなります。
ワーナーパイオニアの折田育三氏が陳の才能を高く評価し、和製ジミヘンとして1971年にソロプロジェクト『Shinki Chen』をプロデュース。そこから発展してスピード・グルー・アンド・シンキの結成に繋がりました。「スピードグルー」はラバー用の接着剤を意味します。
そのサウンドは驚くほどに日本人離れしたもので、70年代初期にツェッペリンやサバスを彷彿とさせるヘヴィでブルージー、本格的な洋楽志向のロックを奏でていたトリオがいたことに驚かされますね。
ただし、時代が追い付かなかったのか、当時は評価もセールスも思わしくなく、結局2枚のアルバムとシングルを残して、自然消滅してしまいました。後年、海外でも再発のたびにカルト的な評価も受け、いまや前述の『Shinki Chen』も含め、ストリーミングで聴けるのはありがたいことです。
2枚目が名盤扱いされていますが、個人的にはよりハード・ロック色の強いデビュー作が好みです。今回ピックアップした「Stoned Out of My Mind」は、70sならではのダイナミズムを凝縮したようなハード・ロック・チューンです!
豪快に歪んだ陳のファズギター、グルーヴィーにうねりを上げる加部のベースプレイ、ワイルドに叩きまくるジョーイのドラミングと、このトリオならではの化学反応の凄みを、時代を超えてまざまざと見せつけられるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!