※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます!
日本のハード・ロック・バンド、 コンディション・グリーン(CONDITION GREEN)が、1978年にリリースした1枚目のアルバム『Life of Change』の3曲目に収録。
今回もルーツ・オブ・ジャパメタを辿ってみましょう。70sの日本のハード・ロック・バンドとして著名な紫は、沖縄出身であるのは広く知られていますが、彼らと同時期に「オキナワンロック」シーンを牽引した伝説的な存在が、このコンディション・グリーンでした。
沖縄が本土復帰直前の1971年に結成されたコンディション・グリーンは、かっちゃんこと川満 勝弘(Vo)、のちにヘヴィ・メタル・アーミーに参加するシンキ(G)、エディ(B)、ターケ(Ds)からなる4人組として、米軍基地内の複数のクラブを股にかけ、積極的にライヴ活動を行いました。
本場の音楽に目や耳の肥えた米兵達を納得させるべく演奏力に磨きをかける一方で、誰も真似できないステージングにも注力。スコーピオンズをも超越する4人が肩車して積み重ねる人間タワーを形成したり、鳥の血を飲んだり、挙げ句の果てはオジーも真っ青の蛇の頭を食いちぎったりと、度肝を抜くパフォーマンスを次々と繰り出し、クラブシーンに話題を撒き散らしました。
紫とは対極の魅せるオキナワン・ハード・ロック・バンドの評価を確立した結実として、彼らが送り出した音源が『Life of Change』であり、1979年の2枚目『Mixed- Up』でした。
パフォーマンスは奇抜でも、音楽面はこけおどしでなく、確かな技量に裏打ちされた本格的な英詞によるハード・ロックがベースになっています。キレの良いファンクテイストや、どこか沖縄の風を感じさせるテイストも存分に加味され、唯一無二の音世界を展開しています。
今回ピックアップした「Heart Breaker (At Cannon Club)」は、2バスのヘヴィなリズムに始まり、一転してメロウな後半へと転じていく展開が絶妙な、コンディション・グリーン流儀のハード・ロック・チューンです!
実にソウルフルなテイストを醸し出すかっちゃんのボーカルも素晴らしいですが、何と言ってもシンキの縦横無尽に弾きまくる魂のギタープレイは聴きどころでしょう。メロウパートではオジーの「Mr.Crowly」を彷彿とさせるコード進行(というかこちらが先ですけど)の中で、エモーショナルなフレーズを連発する様はまさに圧巻!
7曲目の名ギターインスタ「AKIYUMA」との繋がりも感じさせます。これほどのギタリストが、この時代の日本に存在したこと自体が驚きと言えるでしょう。
かっちゃんは昨年78歳で残念ながらこの世を去ってしまいましたが、2枚のアルバムともストリーミングで聴けます。紫のチビこと宮永英一(Ds)が参加し、ツインドラムとなり、ハードさが増した2枚目も素晴らしく、こんな先鋭的なバンドが70年代の日本に存在した事実を、まずは耳で体験してほしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!