※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、ハイラックス(HIRAX)が、1985年にリリースした1枚目のアルバム『Raging Violence』の2曲目に収録。
1984年にカルフォルニアのサイプレスで結成、メタリカ、スレイヤーといったレジェンド世代のバンドと同時代を生きてきた古参スラッシャー、ハイラックス。80sのスラッシュムーブメントにおける数多のバンドの中でも、当時日本盤も出ず専門誌に酷評されるほどにマニアックながらも、異彩と強烈インパクトを放ったひとつとして挙げられるバンドでしょう。
まず、個人的にはデビュー作『Raging Violence』あのジャケットのアートワークが真っ先に想起されます。よーく見るとタマゴ型の男(笑)なんですけど、おにぎり男(笑)が米粒を浴びてるようにしか見えないジャケは、なんだか面白すぎました。のちに奇才パスヘッドが描いたとわかって、二度びっくりしましたね~。
さらに、中心人物の黒人シンガー、カトゥーン・W・ペーニャのキャラ立ちの濃いこと!おびただしいスタッズびっしりのアームバンドを装着したメタルライクな風貌とアフロヘアというアンバランスさが、思わず二度見させるインパクトを与えました。
加えて、その歌唱ぶりは超絶にインパクトそのもの!独特極まりない声質と素っ頓狂なハイトーンで、意外にもはっきりと歌い上げるさまは、もはや上手いんだかヤバいんだかわからない代物ですけど、ガチャガチャと整合性ゼロながら物凄い勢いで奏でられるバックの轟音と完全分離したボーカルラインは耳を直撃し、浮遊するような感覚を味わせてくれましたね。
80年代に2作出てますが、やはりメタルブレイド・エニグマからのデビュー作でしょう。ビル・メトイヤーが関与したとは思えぬペランペランなサウンドも、むしろヘヴィ過ぎずいい味を出してます。3分超えがわずか2曲、ほとんどが1分、2分台で一気に駆け抜ける勢いは凄まじく、クロスオーバーの走り的なテイストも感じられます。
意外と緩急のついた曲も散見されるんですが、今回ピックアップした「Blitzkrieg Air Attack」は、2分ちょいの尺で怒涛の勢いとスピードで徹頭徹尾押しまくるスラッシュ・メタル・チューンです!破綻寸前な演奏と伸びやかに歌いまくるカトゥーンが醸し出す妙なスリリングさが半端ないですね~。
その後1989年に解散するも、2000年に再結成し今もスラッシュ道を邁進しています!
ぜひ、一度聴いてみてください!