※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年10月20日、アメリカのハード・ロック・バンド、ナイト・レンジャー(NIGHT RANGER)のライヴアルバム『40Years And A Night (with Contemporary Youth Orchestra)』がリリースされました。
日本に何回来たかわからないほどの親日ぶりで、今なお衰えを知らぬ元気な姿を見せてくれるナイト・レンジャーから、興味深いライヴアルバムが届きました〜。ライヴ音源もこれまで何枚出てるのか把握できないほどですけど、今回はひと味違います。
昨年11月にクリーブランドのキーバンク・ステート・シアターで行われたスペシャルなライヴを収録したもので、コンテンポラリー・ユース・オーケストラなる楽団と共演してるんですね。
彼らはオハイオ州の学校から選ばれた12〜18歳の若い音楽家集団で、90人以上で構成されるフルオーケストラ。いわゆる古典的なオーケストラではなく、現代のオーケストラ曲を中心に演奏しており、ポピュラーミュージックのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っています。これまでもジェファーソン・スターシップ、スティクス、パットベネターをはじめとした有名アーティストと共演済で、今回ナイト・レンジャーと初共演を果たしました。
単純にオーケストラとロックバンドの共演というだけでなく、教育の一環としてナイト・レンジャーの曲を中心としたオーケストラコンサートを、ナイト・レンジャー自体とともに企画、開催したところに意義があり、ユニークな試みなんでしょう。
一夜限りのスペシャルライヴでは、当日15曲が演奏されたようですが、本ライヴ作には12曲が収められています。企画の趣旨をよく知らないままに、ナイト・レンジャーがオーケストラと共演というのを見たとき、またありがちな企画かあ〜と思ったんですけど、実際に聴いてみると思いの外にいいんですよ。
やはりナイト・レンジャーの楽曲の魅力とメロディの良さが、オーケストラを加えたアレンジになると、ひと際映えて浮かび上がってくるんですね。バラードナンバーはもちろん、ハードなロックナンバーも想像以上のハマり具合で、グイグイと引き込まれて最後まで飽きずに聴けました。映像も発売されますけど、音源だけでも十分に楽しめます。
ナイト・レンジャーのパフォーマンスも、全盛期並とは到底言わないものの、今だに80年代のポジティヴなフィーリングを保ち続けています。そこにオーケストラの若さゆえのフレッシュな感性が加わり、躍動感と新鮮な感動を運んでくれます。
選曲もほぼベストと言えるもので、「High Road」は余計かと思いきや(汗)これも含めて、ベスト盤的な感覚で楽しめるでしょう。
今回はアルバム8曲目「When You Close Your Eyes」をピックアップしました!ただでさえ、今だに聴くたびに涙腺が緩んでしまう、ナイト・レンジャー史上に残る不朽の名曲ですけど、新たな感性のオーケストラアレンジが心を揺さぶってくれます。
聴いてほしい度
85%
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