※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
アメリカのロック・シンガーソングライター 、トム・デ・ルーカ(Tom De Luca)が、1986年にリリースした1枚目のアルバム『Down to the Wire』の5曲目に収録。
テネシー州出身のトム・デ・ルーカは、ソロ作が日本盤でも出ておらず、知る人ぞ知る存在のシンガーソングライターかもしれません。それもそのはずで、自らのデビュー前は有名アーティストへの楽曲提供等、裏方として活躍してきました。
HM/HRファンに関心のありそうな、主なところで楽曲提供が確認できたのは、アルド・ノヴァの1985年作『Twitch』に3曲、モリー・ハチェットの1984年作『The Deed Is Done』に5曲、ジョー・ペリー・プロジェクトの1983年作『Once A Rocker, Always A Rocker』に1曲、となりますね。
80年台半ばにエピック関連で作家契約しているので、他にも色々あるんでしょうが、こうしたキャリアを経て自らもエピックとソロアーティストとして契約。デビュー作となったのが本作でした。
1985年の10月から翌年の1月にイギリスでレコーディングが行われました。プロデュースを務めたのが、ジューダス・プリーストの『Stained Class』や『Killing Machine』を手がけたジェイムズ・ガスリーで、ミックスはトム・ワーマンが担当しています。
流石に数々の有名アーティストに曲を書いてきたトムだけに、80年代という時代性を捉えたメインストリームで通用するキャッチー&ポップ、メロディアスなロックが展開されていきます。トムの少しクセ強めの声質と歌唱が、いい意味でアクセントになっていますね。
今回はピックアップした「Fire in the Night」は、アルバム中でも最もハードエッジな印象を受ける、哀愁あるマイナー調のムードが胸を打つ、メロディアスなハード・ロック・チューンです!
アルバム全体としては、産業ロック的な雰囲気を感じますが、比較的激しめのこの曲はメロハーとしての色合いが濃いですね。ギャロップのギターリフが勇壮でチカラ強い雰囲気を醸し出しています。
これだけの充実作にも関わらず、レーベルからのプロモーションのサポートを得られずに結局アルバム2枚でアーティスト活動を終えてしまいました。ストリーミングではマイク・スラマーによるボーナストラックも聴くことができます。
ぜひ、一度聴いてみてください!