キングダム・カム(KINGDOME COME)、スコーピオンズ(SCORPIONS)他に在籍したドラマー、ジェイムズ・コタック(James Kottak)が、2024年1月9日、61歳で亡くなりました。
ジェイムズの突然の訃報を目にしたとき、真っ先に「まだ若いのでは?」と思ったのですが、やはり60台を超えたばかり。早すぎる知らせに残念な思いが募ります。
モントローズ、キングダム・カム、ワイルド・ホーセズ、MSG、マイケル・リー・ファーキンス、ウォレント、コタック、スコーピオンズ等々、HM/HRシーンの売れっ子ドラマーとして、多くのアーティスト、バンド、作品との共演や参加を重ねてきたジェイムズですが、とりわけ印象に残るのがキングダム・カム、スコーピオンズにおけるキャリアでしょう。
キングダム・カムでは全盛期の2枚のアルバムと復活後の活動に参加。ツェッペリンのクローンと言われた音楽性の中で、ジョン・ボーナム風のパワフルなドラミングを披露し、そのバンドサウンドを形作ることに貢献しました。
スコーピオンズには1996年から2016年と20年に渡り在籍。円熟を増していくバンドにおいて、ドラマーの立場からフレッシュな要素をもたらし、スコーピオンズを再活性化させる原動力のひとつになりました。
いずれにおいても、シンプルなセットから繰り出されるドラマーとしての能力の高さのみならず、類まれなるライヴパフォーマーとしての役割も大きかったですね。そのド派手かつパワフルにドラムを鳴らすパフォーマンスは、耳だけでなく目でも魅せるドラマーとして特に評価されるべきでしょう。個人的には89年に観た初来日時の雄姿が目に浮かびます。
プライベートではトミー・リーの妹であり、ドラマーのアテナ・リーと結婚し、その後離婚。また近年ではスコーピオンズをアルコールの問題で離れる羽目になるなど、公私ともに波乱もありましたが、今回の訃報に際してスコーピオンズからも追悼のコメントが出されていますね。80年代のメタルブームの頃から様々な場面や音源で、シーンを彩ってきたドラマーとして、彼の背中のタトゥーにある「ロックンロール・フォーエヴァー」の言葉とともに、敬意を表したいところです。
追悼の1曲として、イントロそしてアウトロとジェイムズの強烈なドラムフィルを堪能できる、キングダム・カムの代表曲「Get It On」を聴きながら、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. James Kottak
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