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【新作レビュー】ラッセル・ガンズ(RUSSELL/GUNS)『Medusa』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2024年1月12日、アメリカのハード・ロック・バンド、ラッセル・ガンズ(RUSSELL/GUNS)の1枚目のアルバム『Medusa』がリリースされました。

 

ラッセル・ガンズはその名の通り、グレイトホワイトでお馴染みのシンガー、ジャック・ラッセルと、LAガンズでお馴染みのギタリスト、トレイシー・ガンズによる新バンド、というかプロジェクトになります。

 

フロンティアーズお得意の(ありがちな。。)、80sの有名アーティストを机上で組み合わせたスタジオプロジェクトなわけですけど、スウィート/リンチほど、なんとも形容しがたい違和感(汗)はありません。

 

参加メンバーはあくまでも2人を中心に、ジョニー・マーティン(B)、シェーン・フェッツギボン(Ds)、さらにフロンティアーズの作品ではお抱えのお馴染みアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ(Key)がプロデューサーを務めています。

サウンドの方向性は、それぞれ活躍したグレイトホワイトとLAガンズをほどよくミックスした感じかな?と、なんとなく推察できますよね。ただしジャケットを見るとタイトルの通り、ギリシャ神話の怪物「メデューサ」が描かれており、そのタッチも「どこのB級デスメタラーかよ!」といった違和感ありまくりなので、ちょっと不安を煽りますよね~。

 

まさかデスメタルに変身は、さすがにないと知りつつも、聴き進めるとちょっと意外な印象を受けるのは確かで、、1曲目こそ適度にブルージーで伝統的なハード・ロック・テイストで想像の範疇でしたけど、思った以上にハードでヘヴィ、アップテンポの楽曲もあり、激しめを印象を受けました。トレイシーの歪み成分多めのギターがフィーチャーされている点も大きいでしょう。

 

ジャックはトレードマークの声質はそのままに、63歳という年齢を考えるとよく歌えている方だと思いますが、かつての心を揺さぶられるような感情溢れる歌唱と張りは正直さほど感じられず、比較的淡々と歌っている印象がします。アルバム中にキラーチューン的な楽曲はありませんけど、それなりにまとめ上げてくるのは、トレイシーも含めさすがにキャリアのなせる業でしょう。

 

一番気になったのがアレッサンドロによる音作りですね。いつも書いてますけど、ドラムを中心に、いかにもフロンティアーズらしい音圧かけ過ぎな音像で、曲調やアーティストのパフォーマンスと全くマッチしてないんですよ。加えて本作ではヘッドホンで聴くと、ドラムに共鳴するようなリヴァーヴがかかっていて結構気になります。

 

このアルバムを起点に単発でもライヴを行うのか、次作にまでつながるのか不明ですけど、かつて栄華を誇り我々を楽しませてくれた2人が元気にアーティスト活動している事実は、素直に喜びたいですね。

 

色々とタイプの異なる楽曲が収録されていますが、今回は8曲目に収められた「In And Out Of Loveをピックアップしました!マイナー調の哀愁を帯びたハード・ロック路線の楽曲ですが、やはりこうしたタイプの曲ではジャックのエモーショナルなボーカルスタイルが活きてきますね。ヘヴィなアレンジがなされている中でも、メロディやコード展開の良さが際立っています。

 

聴いてほしい度

68

In And Out Of Love

In And Out Of Love

  • Russell - Guns
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバムはこちら!

Medusa

Medusa

  • Russell - Guns
  • メタル
  • ¥1681