※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2024年1月19日、イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、サクソン(SAXON)の約2年ぶり24枚目のアルバム『Hell, Fire and Damnation』がリリースされました。
NWOBHMが産んだレジェンド、アイアン・メイデンの来日が決定していますけど、関東での公演はソールドアウトで、アリーナが追加ですか〜。いやあ、高額なチケット代を払ってでも行きたい、待ちに待っていたファンがこれだけいることで、メイデンの根強い人気ぶりを改めて思い知らされました。
そんなメイデンと何ら劣らぬWOBHMのレジェンド、サクソンですが、日本での盛り上がりは、海外の状況と比べると、未だあまりに違い過ぎるように思えます。この最新作も日本盤が後追いですからね。。
70年代当時から長き歴史を重ねて、スタジオ作だけで24枚ですよ。近年を見てもカヴァーアルバムから1年程度ですし、前作からもわずか2年の短いスパンで、その創作意欲に全く衰えがありません。むしろバンドの歴史を重ねて、ますます精力的になっているのは、ただただ敬意を表したいところです。
重要メンバーのポール・クイン(G)がツアーからのリタイアを発表したものの、今作にはゲスト参加しており、御大ビフ・バイフォード(Vo)、ダグ・スカラット(G)、ニブス・カーター(B)、ナイジェル・グロックラー(Ds)による長年のラインナップは不変ですね。
さらに今作ではポールに代わる、ダイアモンド・ヘッドのブライアン・タトラー(G)が参加しているのは注目ポイントでしょう。共同プロデュースはビフとアンディ・スニープで、ここのところ定番化している布陣ですね。
今作でも当然のごとく、お馴染みのサクソンのロゴがジャケットに刻印されていますが、イメージ通りにサウンドの方も、どこを切ってもこのラインナップで創り上げてきた、サクソン流儀のヘヴィ・メタルがどっぷりと濃厚に詰め込まれています。
あくまでも正統なるど真ん中のヘヴィ・メタルを核に、適度にドラマティックで勇壮なリフとメロディを伴い、決してヘヴィネスになり過ぎない重厚なメタル楽曲が展開されていきます。どれも既聴感があり正直何ら新味や意外性を感じられないものの、サクソンを愛する者の期待を裏切ることは決してないでしょう。
御大ビフは、この1月に73歳!を迎えたばかりとは思えない、驚異的なエナジーを放散しています。声質こそ多少ザラつきが感じられるようになったものの、それも味と思える唯一無二のハイトーンヴォイスですよね。タイトル曲で聴ける強烈なシャウトは生涯現役を主張しているかのようです。
レスポールのダグとフライングVのブライアンによる新ギターチームも、実にいい味わいを醸し出しています。ピロピロとした速弾きではない、メタルギターの基本に忠実なコンビネーションを聴かせてくれますね。ビフが今回のギターサウンドの良さに言及していましたが、確かにファットで抜けの良い歪みは、実に心地よく耳に響いてきます。
前述のタイトル曲もいいんですけど、今回は4曲目に収められた「Fire And Steel」をピックアップしました!ナイジェルの強靭なオカズから2バス連打へと雪崩れ込む必殺の疾走メタル・チューンですね。「Steel」が入っている曲にハズレなしでしょう!
聴いてほしい度
80%
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