※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
イギリスのプログレッシヴ・ロック ・バンド、クォーターマス(QUATERMASS)が、1970年にリリースした2枚目のアルバム『Quatermass』の5曲目に収録。
先日ネットの記事で、ジューダス・プリーストのイアン・ヒルが選ぶベースアルバムTOP5というのを見ました。その中にクォーターマスとジョン・ガスタフソン(B、Vo)がリストアップされていて、ちょっと意外?な選出だなあ思いましたね〜。初期ジューダスではカヴァーも演奏していたそうです。
ロンドン出身のクオーターマスは、60年代末期から70年代にかけて活動し、ジョンに加え、J.ピーター・ロビンソン(Key)、ミック・アンダーウッド(Ds)からなるパワーキーボードトリオでした。
多くのHM/HRファン同様に、筆者がクォーターマスを知ったきっかけは、レインボーのデビュー作に、クォーターマスの「Black Sheep of the Family」が収録されていたことでした。ある種キャッチーと言えるメロディセンスを持った楽曲は、リッチー・ブラックモアの強い思い入れを反映するかのごとく、しっくりハマっていましたよね。
原曲を聴きたくても、貴重盤としてなかなか出会えなかったので、後年にようやく耳にした時は感慨も大きかったですね。今ではCDの再発だけでなく、こうした重要作にストリーミングで気軽に触れられるのは良い時代だと改めて思います。
あくまでキーボードを主体としたロックで、弦楽奏を活用したプログレッシヴとして括られつつ、ブルースやジャズを背景としたブリティッシュ・ハードのダイナミズムも存分に感じられ、レインボーのファンならずともHM/HRファンの感性に訴えるアルバムと言えるでしょう。
プテラノドンが高層ビル?の間を華麗に舞う、ヒプノシスによる俊逸なジャケットは一度見たら忘れられず、イマジネーションを極限まで掻き立てられます。当時の日本盤オビには「ハーデスト・ロック三重奏に弦楽多重奏を加えた野心作!」と書かれているのも興味深いところです。
今回ピックアップした「Up On the Ground」は、鍵盤とベースラインによる引きずるようなユニゾンのリフレインがクールな、ミッドテンポのハードなプログレッシヴ・ロック・チューンです!イアンがオススメするように、ジョンの動きの激しい躍動感のあるベースラインは素晴らしいですね〜。
結局、1枚だけのアルバムを伝説的に残し解散してしまいましたが、以前ご紹介したハード・スタッフを始め、各メンバーはブリティッシュ・ロックの重要な人脈へと繋がっていきました。
ぜひ、一度聴いてみてください!