Streaming for METAL !

音楽ストリーミングサービス・サブスクで、ヘヴィ・メタル、ハード・ロックを味わい尽くそう!

【新曲レビュー】 ケリー・キング(Kerry King)「Idle Hands」

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新曲をご紹介します!

 

アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、元スレイヤー(SLAYER)のギタリスト、ケリー・キング(Kerry King)が、2024年5月17日リリース予定のソロ・アルバム『From Hell I Rise』からの先行シングル「Idle Hands」を2月5日に公開しました。

 

スレイヤーの解散後、ニュースとして断片的に伝えられてきた、ケリー初のソロ作品の詳細が明らかになってきました。あくまでもケリー初のソロアルバムという扱いとはいえ、プロジェクト、さらにはパーソナルなバンド感も出てきましたね~。

 

当初はブラッド・レイン、さらにはキングス・レインというプロジェクト名を考えていたようですが、ケリーいわく、東欧のよくわからんバンド(笑)に考える名前がことごとく存在していて、結局は「ケリー・キング」の名を冠したようです。不思議とプロジェクト、いやバンド名としても、その手があったか!というくらい妙にしっくりきます(笑)。

 

注目のラインナップですが、ケリーに加え、デス・エンジェルのマーク・オセグエダ(Vo)、ヴァイオレンスのフィル・デメル(G)、ヘルヤーのカイル・サンダース(B)そしてスレイヤーでの盟友ポール・ボスタフ(Ds)と、その筋の一線級の布陣が集まりました。

 

パンテラのフィル・アンセルモの可能性も探っていたようですが、パンテラ復活で話はなくなり、マークに落ち着いたようですね。プロデュースは、ラム・オブ・ゴッドなどを手掛けたジョシュ・ウィルバーが担当しています。

 

さて、1曲だけお披露目された「Idle Hands」ですが、どこを切ってもケリー、いやスレイヤー!風味の色濃いスラッシュ、エクストリーム・メタルが炸裂する激走チューンに仕上がっています。

 

それもそのはず、スレイヤーのラスト作『Repentless』の制作時にすでに存在していた楽曲で、次のスレイヤーのアルバムに温めていた1曲だったらしいんですね。誰よりもスレイヤーの終焉に納得いかず悔いていたケリーだっただけに、その思い入れはひとしおなんでしょう。

 

そうした思いに応えるかのように、4人のメンバーが渾身のパフォーマンスを聴かせてくれます。とりわけマークはトム・アラヤが乗り移ったかのような荒々しいボイスを轟かせています。

 

通常のエクストリーム・メタルとして考えると、申し分ない軽く100点満点の出来なんでしょうけど、結局はスレイヤーのようでスレイヤーでない、本家を超えられないというジレンマを感じるのも事実。ケリーのスレイヤーへの断ち切れない未練を追えば追うほどに、スレイヤーの偉大さが改めて浮き彫りになってしまうというか。。

 

現状ではトムとの連絡は途絶え、デイヴ・ロンバードとの関係も断絶されたわけですから、スレイヤー復活のウルトラCはあり得ないでしょう。彼らの年齢とその音楽の激しさを考えると、スレイヤーは最良の最期を遂げたと今でも思えます。まさに伝説の存在になりましたし、残した名曲、名作の価値は永遠ですからね。

 

まだ他の楽曲を聴いたわけではないですが、ケリーにはその才能とキャリアを生かし、歴戦の強者が集まったケミストリーのもとで、スレイヤーとはまたひと味違うヘヴィ・メタルも奏でてほしいですし、聴いてみたいと個人的には思います。そんな感情も胸にして、まずはアルバム全曲の到着を待ちたいですね。

 

聴いてほしい度 

82 

Idle Hands

Idle Hands

  • Kerry King
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes