すでにネット上で拡散されご覧になったHM/HRファンも多いか思いますが、アメリカの女性ヴァイオリニスト、ニーナ・ディグレゴリオが、ヴァン・ヘイレンの「Eruption」をカヴァーして話題になっています。
いやあ〜、これは色々と凄いわ(笑)。ヴァイオリンでカヴァーといえば、3年ほど前に日本のアンラッキー・モルフェウスのJILLが普通のヴァイオリンを用いてカヴァーしたヴァージョンも中々でしたけど、ニーナは7弦フレットヴァイオリンを使用。
エフェクターも駆使しながら、歪んだ音にフェイザーをかけて、エディのフレーズをまんま完コピしてますね〜。最後のディレイのかかった音がフェイドアウトしていくところも完璧!こういうこだわりが好印象です(笑)。注目のライトハンドのフレーズは、弓を封印して迷いなく右手でタッピングをかますあたりのもいいですね〜。
JILLとは方法論も違うわけで一概にどちらが良いとは言えないでしょうが、相当に過酷な努力を重ねた上で、どんな手段を使ってでもエディにヴァイオリンで近づいたニーナの素晴らしすぎる演奏は素直に評価したいところです。天国のエディもびっくりどころか満面の笑顔でブラボーでしょう。
ちなみに「Eruption」のヴァイオリンカヴァーについてネットで検索すると、多数のヴァイオリニストの挑戦が出てきますけど、アイデア、酷似度、エンタテインメント性と、どれを取っても今回のニーナのヴァージョンは究極じゃないでしょうか。
ところでニーナ・ディグレゴリオとは何者?と全く無知でしたので(汗)少々調べてみました〜。彼女が使用するヤマハ・ストリングのアーティストページによると、、「クラシックの訓練を受け、ヴァイオリン演奏の修士号を持つヴァイオリニスト、ベース奏者、作・編曲家、ヴォーカリスト。エレクトリック・ロック・ヴァイオリンの革新的なパフォーマー、音楽ビジネスの起業家としても知られる」とのことで、ヴァイオリニストとしての素養の高さに加え、多才な活躍をしているようです。
数々の著名アーティストとの共演も果たしていますが、中でも自身が主演するロック・プロダクション・ショー "Femmes of Rock "を制作・プロデュースしたことで、ロックファンにも知られるようになりました。
クラシック・ロックをヴァイオリンアレンジしたライヴパフォーマンスは、全米で大ウケだったようで、チープ・トリック、バッド・カンパニー、テッド・ニュージェント、カンサスをはじめとする有名バンドとステージを共にしました。
ところがコロナの蔓延でツアーが出来なくなり、ニーナはエレクトリック・バイオリンでクラシック・ロックのギター・ソロをはじめとした、カヴァー動画を各種SNSに投稿し始めたんですね。彼女のYouTubeチャンネルにはメタルファンにも興味を引く動画がたくさんありまして、例えば水玉模様のヴァイオリンを使って、ランディー・ローズにもなりきっています。
ラッシュのカヴァーではベースの腕前も披露。
他にもたくさんありますので、興味がある方は見ていただきたいですが、とにかくロック愛がストレートに伝わってくるのが好感が持てるところです。ある時点でロックを演奏するようになってから、有名ギタリストのプレイを譜面に書き写すところから徹底して研究し、中途半端にクラシックはなくロックとして演奏してといいます。
今回のエディのカヴァーにしても、何年も研究し指を血まみれにしながら得られた結果ということで、それによって演奏家としての能力を高められたことをエディに感謝しています。
こうして意外な形で今も音楽シーンに影響を与えるエディと、彼が生み出した「Eruption」のギター演奏が放つ絶大なチカラも、改めて実感しますね。今日の本家は東京ドームでの最後の演奏を聴きたいと思います!