※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、マウンテン(MOUNTAIN)が、1971年にリリースした通算3枚目のアルバム『Nantucket Sleighride』の8曲目に収録。
先日YouTube上に、レスリー・ウェストとエディ・ヴァン・ヘイレンがLAで競演している未公開映像がアップされました。2002年のレスリーのライヴにエディが飛び入りしたときのもので、マウンテンの「Never In My Life」を演奏していますが、エディにとってレスリーは憧れのギタリストでしたからね。
ここにはレスリーのインタビュー映像も含まれており、逆にレスリーもいかにエディをリスペクトしているか語られています。エディが当時リハビリ中だったレスリーを連れ出し、毎晩のように部屋でジャミングしながら、再びツアーに出るように促していたようです。
本物同士だけに通じ合うものがあったのでしょうね。エディがこの世を去ったわずか2ヶ月後に、レスリーも後を追うように惜しまれつつなくなりましたが、今もきっと別世界でジャムってることでしょう。
そんなレスリーの存在を知ったのはリアルタイムではなく、エディ同様に、マイケル・シェンカーが多大に影響を受けていると知ってからでした。そういったHM/HRファンも多いでしょうね。
70年代ものに詳しい知人に訪ねて、『Nantucket Sleighride』を先に購入して聴いてみたんですが、確かにマイケルのプレイに似ていてびっくり!した覚えがあります。その巨漢に似合わぬエモーショナルで扇情的なメロディを讃えたプレイと、レスポールジュニアを用いた鼻をつまんだようなミッドブーストのサウンド、ピッキングハーモニクスを多用する奏法と、マイケルのギターが好きであればすんなり受け入れられましたね。
アメリカン・ハード・ロックの創生期を担ったマウンテンのストレートで迫力あるハードさは群を抜いていました。一方で、アメリカのバンドらしからぬフェリックス・パパラルディのクラシックの素養を生かしたセンスが新鮮で、70sのバンドにありがちなブルージーな要素も薄く、日本人の琴線に触れるテイストに溢れていました。
今回ピックアップした「Travellin' in the Dark (For E.M.P.)」は、哀感ある壮大で伸びやかなリードギターのリフレインが印象的なハード・ロック・チューンです!この曲あたりの湿り気を帯びた雰囲気は、のちにマイケルが実践した音楽性を彷彿とさせますよね。当時の日本盤には「暗黒への旅路」という邦題がついていました。
ちなみに本作と甲乙つけがたい名盤『Climbing!』に、代表曲の「Mississippi Queen」が収録されていますが、Spotifyの再生数は現時点で約2億4500万回!とダントツの数字になっています。
ぜひ、一度聴いてみてください!