※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
イギリスのハード・ロック・バンド、プレイング・マンティス(PRAYING MANTIS)が、2024年4月19日、約2年ぶり12枚目のニュー・アルバム『Defiance』をリリースしました。
連休期間は新作をまとめて聴けるので、レビューもまとめてやってきましたが、連休最終日はちょっと前の新作ですけど、プレイング・マンティスでいってみましょう〜。
それにしてもバンド結成から50年周年、1981年にデビューして40年以上になるのに、マンティスが現役でプレイを続行し続けているとは、一旦解散していた80年代半ばには想像できませんでした。
90年代に復活し今に至るまで、とりわけ日本のマーケットは主戦場のひとつになったわけですから、6月に行われる最後という来日公演は、バンドにとっても特別な位置づけとなるでしょう。
そんな来日を前にした新作かつ、最後のアルバムになる可能性もあるとのこと。ここ数作は惰性でさわりだけ聴いていた程度なので(汗)、全編リピしてみました〜。
今回もメンバーはクリス&ティノのトロイ兄弟に加え、ジョン・カイペルス (Vo)、アンディ・バージェス(G)、ハンス・イント・ザント(Ds)という近年固まった布陣。バンド内の安定を反映するように、昨日レビューしたFMではないですけど、基本は何も変わらない、憂いと叙情性を湛えた英国産らしいメロディアス・ハードが淡々と進行していきます。
強烈なフックのある決め曲までは今回もなく、やや沸切らないメロディと楽曲が大半なので、アルバム単位で近年のマンティスが描く世界観に浸れるかどうかでしょう。トロイ兄弟主導というより、アンディのサウンド面の貢献も大きいので、その辺りの色合いも強いんでしょうね。
ジャケの印象通りのどんよりモノトーンな作風ながら、ジョンのしっかり歌い切るパワフルで快活なハイトーンと、ハンスのタイトなドラミングはアクセントとなっていて、マンティスの美旋律にこれまで魅了されてきたファンなら、十分に及第点のアルバムと言えます。
マンティスの場合、90年代以降のメロハーバンドとしての存在がいかに素晴らしくとも、結局はNWOBHMとしての『Time Tell No Lies』の呪縛から一度も離れることなく、今作でさえも比較される運命にあるのは仕方ないんでしょうね。
それでも、もし最後であるなら、少なくともメロハーバンドとしてのマンティスの集大成として、メロディに拘り続けた音楽性を味わってほしいと思います。
今回はアルバムの4曲目に収録されたラスバラードの有名曲「I Surrender」をピックアップしました!これは『Time Tell No Lies』時代にレコーディングしながらも、レインボーの横やりが入っておじゃんになった曰く付きのカヴァー曲ということで、最後かもしれない作品に収録されるのは何かの因縁でしょうか。
アレンジもレインボーのカヴァーみたいになってるのが(汗)アレですけど、アルバム中一番目立っていますね。
聴いてほしい度
77%
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