※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
イギリスのスラッシュ・メタル・バンド、イーヴァイル(EVILE)が、2007年にリリースした1枚目のアルバム『Enter the Grave』の1曲目に収録。
今回は2000年代以降に登場した新世代のスラッシャー(といってももう15年以上前ですけど)から、イーヴァイルをいってみましょう~。
90年代初頭にはバンドの数が増えすぎて、完全な飽和状態に陥ったスラッシュ系でしたけど、ほどなくして突入した暗黒期がいつしか過ぎると、2000年以降にベテラン勢が次第に復活。同時に、当時の新世代といえるバンドが登場してきましたが、2004年にウェストヨークシャーのハダースフィールドで結成されたイーヴァイルも、その中のひとつでしたね。
当初のカヴァーバンドからオリジナル曲へと移行した彼らは、2004年と2006年に計2枚のEPをリリース。それが評価されてイギリスのエクストリーム系レーベルでお馴染みのイアエークと契約。第一弾となるデビューアルバムが本作でした。
ニューカマーらしからぬ確固たる実力を有したイーヴァイルでしたが、他の新世代勢とは違う大きなアドバンテージとなったのが、デンマーク人のプロデューサー、フレミング・ラスムッセンを引っ張り出すことに成功したことでしょう。
フレミングといえば、メタリカの名盤3枚をプロデュースした、泣く子も黙る(泣くスラッシャーも黙る?笑)名プロデューサーですからね~。
デンマークのコペンハーゲンでレコーディングされた本作は、フレミングらしくいい意味で新しくない往年のテイスト溢れる音作りが、イーヴァイルのオールドスクールでありつつ新世代らしさもある音楽性にマッチして、80sからのスラッシュマニアも唸らせる会心作に仕上がりました。
今回ピックアップした「Enter the Grave」は、そのオープニングを飾るに相応しい、緩急自在に突き進むリズムとリフの刻みが光る、スラッシュ・メタル・チューンです!ザックザクのクランチリフのギターの音と、アタックを効かせたキックに象徴される独特なサウンドメイキングが、完全にフレミングならではのオリジナリティに溢れていて最高ですね!
結果としてセールスも好調で、UKチャートで30位近くまで上昇する快挙も記録したのも納得でしょう!以降のアルバムのクオリティも高いですが、このアルバムほどの個性が感じられず、プロデューサーによる違いの大きさを改めて思い知らされます。
ぜひ、一度聴いてみてください!