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【音楽コラム】遂にこの時が。。スティーヴン・タイラー、ツアー活動引退!

先日Xのトレンド上位にスティーヴン・タイラーの名前が上がっていたので、また鯛焼きでもめたのか?(笑)と思いきや、なんとツアー活動からの完全引退という残念なニュースでした。。

 

エアロスミスは「Peace Out...Farewell Tour」と銘打ったフェアウェルツアーを敢行し始めていましたが、2023年にスティーヴンが声帯を損傷し、最初の3公演でストップしていたんですね。ところが、今年4月になって1年延期されたリスケジュールが発表されて、9月の北米からショウを行う予定でした。

 

それに先立つように、5月にはブラック・クロウズのロンドン公演にスティーヴンが飛び入りし、「Mama Kin」を共演していただけに、良い方向に復活しつつあると思っていたファンも多かったでしょう。1曲ならまだしも、長時間のショウや長期間のツアーには耐えられないノドの状態なんでしょうね。

 

圧倒的なライヴバンドとして名を馳せていたエアロとスティーヴンからすれば、ツアー引退イコール、実質上のキャリア引退に近い重みを感じます。大々的なフェアウェルツアーを行う大物アーティストは後を絶ちませんが、開始早々に終了してしまったケースは珍しいかもしれません。それだけ症状も深刻だったのでしょう。

 

1970年以来、ほぼラインナップを変えずにやってきた稀有な存在のエアロなので、スティーヴンがツアーから引退した後に、例えばゲストボーカルを迎えてエアロ名義でツアーを続けるような選択はないはず。また、今後単独でのショウが行われるか現時点では不明なところです。

 

今回SNS上でこのニュースが広く拡散したのは、通常のベテランアーティスト以上に思える、ファン層の広さゆえではないでしょうか。筆者がエアロをリアルタイムで聴き始めたのは『Draw the Line』リリースの頃ですが、1973年のデビュー時から聴き続けている年季の入ったファンも多いでしょう。

 

一方で80年代半ばの『Permanent Vacation』辺りからのファン層はもちろん、90年代後半から2000年代にかけて一般層にもアピールする「I Don't Want to Miss a Thing」のヒットを飛ばした頃に、エアロを聴き始めた比較的若いファン層も多いでしょうね。そうした新しい世代のロックファンにとっては、大物アーティスト引退という経験を始めて味わう方々も多いでしょうから、その衝撃の広がりも大きくなったように思えます。

 

個人的には、45年以上に渡り、エアロの浮き沈みをリアルタイム見てきたのは、ロックの歴史の大きな一部分を体感してきたようなものなので、やはりスティーヴンの今回の決断は感慨深いものがあります。

 

歌えなくなるギリギリまでステージに立ち続けたスティーヴンには、心から敬意を表したいですし、彼が多く残してくれた魂の歌唱を、様々な音源や映像を通じてこれからも味わっていきたいですね。

 

今回はライヴアルバムの名作『Live! Bootleg』から、これまた不朽の名曲「Toys In the Attic」をピックアップしました!ギミック一切なしの生々しいライヴでこそ、エアロのハード・ロック・バンドとしての魅力の全てが明らかになっていますね。史上に残る名演を真空パックして詰め込んだ、今の時代では叶わない、これぞ正真正銘本物のライヴアルバムでしょう!

Toys In the Attic

Toys In the Attic

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