※まさにHM/HRの黄金時代、80年代を彩った楽曲を振り返ります!
アイルランドのハード・ロック・ギタリスト、ゲイリー・ムーア(Gary Moore)が、1985年にリリースした5枚目のソロアルバム『Dirty Fingers』の1曲目に収録。
今日8月6日は79回目の広島原爆の日。筆者のような昭和生まれでこの日を刷り込まれてきた人間でも、年々遠い日のことのように感じてしまうので、若い世代の方々からすれば、まったく意識しなかったり、そもそも知らなかったりする危惧がありますね。核廃絶や世界平和といった普遍的な願いを意識する日として、風化させてはいけないと改めて感じます。
さて、HM/HRファンにとっては、「広島」や「核」を題材にした楽曲がチラホラ脳裏に浮かぶ日かもしれません。アルカトラスの例の曲もよいですが、その中の1曲として、今回はゲイリー・ムーアの「Hiroshima」をピックアップしてみました!
この時代の日本におけるゲイリーは、不朽の名作『Corridors of Power』でブレイク後、来日公演を経て、ライヴ作を乱発する中で『Dirty Fingers』をリリースと、まさに怒涛の勢いでマイケル・シェンカーと双璧をなすギターヒーローへと昇りつめましたよね。
本作は元々1980年頃にレコーディングが進んでいた音源で、ジェットとの契約のこじれでお蔵入りとなっていたものでしたが、問題が解消後に日本でのブレイクによりリリースが実現したわけです。
チャーリー・ハーン(Vo)、ドン・エイリー(Key)、ジミー・ベイン(B)、トミー・アルドリッジ(Ds)という素晴らしい布陣で、生々しい音像の中で極上のHM/HR時代のゲイリーをたっぷりあじわうことができる逸品ですね。
そのオープニングを飾る「Hiroshima」は、典型的なパワーコードのリフと疾走するリズム、ドラマティックで勇壮なメロディと、数多のゲイリーの楽曲の中でも、メタル度が高い一撃で、当時はこのカッコよさにとことん痺れたものです。
鬼のように弾きまくるゲイリーのソロは終始凄まじく、ギタークレイジーを体現しまくっていますが、日本的でありつつ、ちょいと勘違いしたチャイニーズ風味のフレーズにズコーっとこけそうになりますね~。
「ひっろしま~」のフレーズがやけに耳に残るその歌詞は、アメリカによる原爆投下という愚行を批判する内容で、ヨーロッパで生まれ育ったゲイリーの視点からの反戦の歌になっています。同アルバムには核を批判した「Nuclear Attack」も収められており、その音楽とともにゲイリーが発したメッセージも改めて考えたいところです。
ぜひ、一度聴いてみてください!