※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、センチネル・ビースト(SENTINEL BEAST)が、1986年にリリースした1枚目のアルバム『Depths Of Death』の2曲目に収録。
西海岸カリフォルニアのサクラメント出身で、1984年に結成されたセンチネル・ビースト。一般的にはマニアックな存在で、当時の日本の専門誌では酷評されてましたけど、ユニークで個性的なポイントを幾つも含有した、記憶に残るバンドのひとつといえるでしょう。
センチネル・ビーストはデモ制作を経て、初期メタル・ブレイド発でお馴染みのオムニバス『メタル・マサカー VII』に音源が収録されていますが、スレイヤーのケリー・キングに見いだされたことで、メタル・ブレイドとのパイプが持ったようですね。
メタル・ブレイドとの契約後、デビュー作にして当時唯一のアルバムでリリースされたのが本作でした。そのサウンドは「Phantom of the Opera」のカバーを収録している通り、アイアン・メイデンの強い影響下にある正統的な80sUSヘヴィ・メタル風味を主軸にしつつも、スラッシュ/スピード・メタルにかなり寄せているのが特徴です。
終始荒々しく追い立てられるように激走を重ね暴れまくる音像は、スラッシュと称するのがしっくりくるでしょうね。メンバーには、のちにフロットサム・アンド・ジェットサムに参加するマーク・スペンサー(B)が在籍。スティーヴ・ハリスばりに、ビッキビキな音色で弾きまくってますけど、やはり再注目は女性シンガーのデビー・ガンの存在でしょう!
赤い長髪が目印のデビー嬢の強靭なボイスは、黙って聴いたらまず女性とは思えぬド迫力で、けたたましい演奏にさらにエナジーを投下していくチカラを放っています。デビー嬢はのちにジーノホワイトに参加しますね。
今回ピックアップした「Mourir」は、まさに「メイデン・ミーツ・スラッシュ」をサウンドで体現した、個性的な激烈スラッシュ・メタル・チューンです!ベースのイントロからしてメイデン感満載ですが。ユニークなメロディを伴いながら、スリリングに疾走していくメタルは問答無用のカッコ良さを解き放っています!
ストリーミングでは、80年代のデモ集『Up From The Ashes』も聴けるので再評価してほしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!