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【R.I.P.】和田アキラさん / プリズム(PRISM)

フュージョン・バンド、プリズムなどで活躍したギタリスト、和田アキラさんが、3月28日、64歳で亡くなりました。

 

70年代後半の当時、日本の若手凄腕ギタリストの代表格が和田アキラさんでした。同じく凄腕で注目されたカシオペア野呂一生とともに、ジャパニーズ・フュージョンを確立していくわけですが、ポップで一般受けするサウンドカシオペアに比べ、プリズムは、ハードでプログレッシヴな玄人受けするサウンドを標榜していましたね。

 

そうしたサウンドの方向性から、HM/HRファンでもプリズムを密かに聴いて、和田氏のギタープレイが好きだった、筆者のような方も少なからずいたのではと思います。実際のところ、和田氏はHM/HR系の音楽とも縁のあるギタリストでした。

 

和田氏自身は、ジミ・ヘン、ツェッペリン、グランドファンク、クリーム、ブラック・サバスなどの音楽がルーツのようです。アマチュア時代にはサバスの曲名「Snow Blind」をバンド名に冠したり、近年ではブラック・サバスのトリビュートバンドに参加したりしています。

 

そこから、サンタナジェフ・ベックアル・ディ・メオラなどの影響を受けて、インストゥルメンタルを極めていくわけですが、HM/HRファンでも親和性を感じる所以は、和田氏の中にあるルーツが、ギタープレイの根底に流れていたからかも知れませんね。

 

余談ですが、聖飢魔IIのデビュー作『悪魔が来たりてヘヴィメタる』は、プリズムの渡辺健がプロデュースを担当したため、ギターパートを和田アキラが弾いている?と言われたりもしていますが、改めてそういう視点で聴いてみるのも味わい深いかも知れません。

 

さて、和田氏といえば、変態フレーズを弾きこなす超絶な速弾きが、何より思い浮かびます。しかも流れるようなプレイというより、力強いフルピッキングでスリリングに弾きまくる姿が、観るもの聴くものを痺れさせました。語弊があるかも知れませんが個人的には、アラン・ホールズワース meets ゲイリー・ムーア、と言った印象がありました。速弾きだけでなく、綺麗なトーンでロングサステインを奏でる、メロディのツボを抑えたプレイも卓越していましたね。

 

今回の訃報を受けて、日本のHM/HRギタリストの2大レジェンド、山本恭司、高崎晃をはじめ、多くのアーティストが追悼コメントを出していますが、和田氏の類い稀なる技量が、ジャンルを超えていかにリスペクトされていたのかを、伺い知るかのようです。

  

今回は、幅広い活躍をされてきた和田氏を偲び、「A First Fright」をピックアップしてみました。松岡直也のアルバム収録曲で、爽やかな中にどこか切ないギターの旋律が光る、Jフュージョンの名曲です。80年代にNHK教育テレビで放送された「ベストサウンド」に、松岡氏とともに和田氏は講師として出演していましたね。毎週観ていたので、とても懐かしい限りです。また「A First Fright」はプリズムでも近年カヴァーされていますね。天国で松岡氏とセッションを繰り広げるであろうこの曲を聴いて、和田アキラさんのご冥福をお祈り申し上げます。

 

プリズム初期の作品の多くは、残念なことに未ストリーミングのため、早期に全作品のストリーミング化が、実現すればいいですね。

 

R.I.P 和田アキラさん

A FIRST FLIGHT

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