日本では、まだまだコロナ禍の空気を引き摺っているせいで、大規模イベントなんてとんでもない、という雰囲気が漂っていますけど、海の外からはライヴのみならず、大規模フェスのニュースも入ってくるようになりましたね。
その中でも先日アナウンスされた、フランスの「ヘルフェスト」については、色々と驚かされました。ヘルフェストは、2006年から開催されているHM/HRにフォーカスした音楽フェスで、現在はフランスの中西部(やや北西部?)に位置する、クレソンという人口6000人ほどの小さな町が、舞台になっています。
当初は2万人程度のオーディエンスだったのが、2017年には1日あたり5万人以上を集める規模に成長。イギリスのダウンロード、ドイツのヴァッケン、スウェーデンのスウェーデンフェスなどと並ぶ、ヨーロッパ有数の大規模フェスとして、認知されるようになりました。
ただし、フェスの名称から分かる通り、ブラックメタル系など過激なバンドも多く出演するため、開催を続ける過程では、政治を巻き込んで反対の動きが起こるなど、一筋縄ではいかなかったようですね。
また、コロナ禍で2020年の開催が中止に追い込まれた際に、保険会社からの保障が受けられなかったことで、2021年に開催が延期され、さらに2022年に再延期を余儀無くされた経緯もありました。
そんな困難を乗り越えて、2022年にようやく第15回目の開催が決定したヘルフェスト。6月18日から3日間は、2020年からスライドした日程になっており、チケットは2019年10月の時点で、残念ながらすでにソールドアウトになっています。
ここまでは、まあ普通なんですけど、2022年開催にあたって、なんと!6月23日から4日間の日程をさらに追加!(って元の倍以上に増えてますやん笑)。計7日間のフェスで行われることになりました〜。
その出演バンドの総数が、な、な〜んと350!
全部羅列したら大変なので、下記をじ〜っくりご覧ください(笑)ぶっちゃけ良く分からないバンドも多く混ざってますけど(汗)、小さな文字にもおっ!といいいたくなるバンドが混ざったりしてます。
告知の映像も、映画の予告みたいでやべ〜!
追加日程のメインステージでは、スコーピオンズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、メタリカの大きなロゴが目につきます。個人的には、ラウド、エクストリーム系よりも、50周年のジューダス・プリーストやハロウィン、メガデス、ディープ・パープル、ホワイトスネイク、UFO、ランニング・ワイルド、マーシフル・フェイト辺りに注目してしまいますね〜。
これら350バンドが、メインステージ2つに加えて、サブジャンルを目安に分かれた4つのステージを合わせて、6つのステージで連日轟音絵巻が繰り広げられます。
いやあ〜、一体どーやってフェス全体を円滑に進行させるのでしょうか、主催者のオーガナイズ能力の高さに頭が下がりますね〜。
筆者もヨーロッパの大規模フェスは体験していますが、数十バンド、数日間ず〜っと大音響の中でライヴを観ていると、ホント体力勝負で段々いろんな感覚がマヒしてきます。それが350バンドですか〜、もちろん物理的に全部は不可能とはいえ、7日間参戦したら、向こう1年くらいはメタルを聴かなくても良くなりそうですね(笑)。
それにしても、日本とは比較にならないほど、コロナ禍の被害が深刻だったフランスで、これだけの大規模のライヴを、野外とはいえ堂々とアナウンスできる風潮が、羨ましいですよね。物理的にこれだけのHM/HRフェスを日本で体験するのは、もちろん不可能ですし、海外渡航が円滑にできるようになれば、追加日程のチケットを買えるなら、現地を目指したほうがいいかもしれません。
いずれにせよ、メタルシーンにとっては、コロナ禍からのステップという意味で、未来への希望を感じさせてくれる、「ヘル」どころか「ヘヴン」のようなニュースでした!
なんだかんだ言っても、大トリをこのバンドが務めると、やっぱりフェスが締まりますね!