メタル・チャーチ(METAL CHURCH)のヴォーカリスト、マイク・ハウ(Mike Howe)が、2021年7月26日、55歳で亡くなりました。
現時点で死因は明らかにされていませんが、 カリフォルニア州のユーリカで突然死したという通報を受けて、保安官が到着した際にはすでに死亡しており、アルコールや薬物の影響ではないと考えられているようです。
メタル・チャーチといえば、初期のヴォーカリストを務めたデヴィッド・ウェインも、2005年に47歳の若さで亡くなっていますから、 バンドの歴史を築き上げてきたフロントマン2人を失う悲劇に見舞われてしまいました。
個性的な金切り声を武器にしたデヴィッドは、ともすれば聴き手を選んでしまう危険性もあったのですが、パワフルかつしっかり歌い上げる力量を持ち、若々しいルックスにも恵まれたマイクが加入したおかげで、メタル・チャーチはその可能性を一気に広げ、メタルマニア御用達のバンドから飛躍していきました。
特にマイク加入後の第2弾『The Human Factor』のメジャー感と完成度の高さから、当時日本でもメタルファンの中での評価、人気ともにうなぎのぼりでした。グランジ・オルタナ旋風の真っ只中で行われた94年の初来日公演時も観にいきましたが、新しい時代の波を上手く捉えながらも、正統派メタルの意地を感じさせてくれたのを覚えています。
その後惜しくも脱退してしまったマイクは、20年ほどの時を経てまさかの復活を遂げるわけですが、かつてのロングヘアの金髪姿から、すっかりダンディなおじさんに変貌していたのに驚かされました。それでもかつてのパワフルなヴォーカルスタイルを変えずに、メタル・チャーチ自体も勢いを取り戻しつつあったところだけに、残念なニュースでなりませんね。
今日の追悼の1曲は、出世作『The Human Factor』に収録された名曲「Date with Poverty」をピックアップしてみました。時代の波を感知したようなグルーヴ感の中で、マイクのヴォーカルが活き活きと躍動する、メタル・チャーチの代表曲のひとつですね。アルバムはスポティファイのみできけますが、アップルミュージックではMVを観ることができます。目を見開きながら激アツな表情で歌い演じる若き日のマイクの勇姿を観ながら、ご冥福をお祈りしたい思います。
R.I.P. Mike Howe
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