※80sを象徴する音楽、産業ロックのあれこれを紹介していきます!
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、 エイジア(ASIA)が、1983年にリリースした2枚目のアルバム『Alpha』の1曲目に収録。
”産業ロック”の親玉といえば、エイジアが真っ先に思い浮かぶでしょう。70年代にプログレッシヴ・ロックとして長く複雑な音楽を創造してきた代表的な面々が集まり、コンパクトで大衆性のあるロックを意図的に生み出したことで、時代に迎合したと批判する評論家連中もいたわけですね。
そんな辛辣な評価をよそに、新たな挑戦は多くの音楽ファンに受け入れられ、デビュー作は全米で年間アルバムチャート1位に輝くメガヒットを記録。プログレの達人たちが、70年代に培ったエッセンスを3分ほどの楽曲にギュッと凝縮した”産業ロック”がいかに正しいものだったか、証明したと言えるでしょう。
作品としてはデビュー作にセールスに劣るものの、ソングオリエンテッドな路線をさらに推し進めた『Alpha』は、徹頭徹尾スキのない完璧な仕上がりになっています。イマジネーションを掻き立てるジャケットデザインも見事でした。
どの曲を選んでも素晴らしいんですが、今回ピックアップした「Don't Cry」は、エイジアの代表曲のひとつで、究極のメロディアス・ロックチューンです!イントロのジェフ・ダウンズのシンセと、スティーヴ・ハウの泣きのフレーズ、カール・パーマーのタム回しが流れてきた時点で、「Don't Cry」どころか泣いちゃいます(笑)。
荘厳で仰々しいプログレのエレメントと、シンプルでキャッチーなポップ・ロック調のテイストが見事に調和し、奇跡的なバランスの名曲が生み出されたんですね。何度リピしたかわかりませんけど、ジョン・ウェットンが濡れた声質で歌うメロディラインが、聴くたびに心の深淵に響く感動を与えてくれます。
素晴らしい音楽が、産業ロックという名の下で批判されるのであれば上等!という清々しい気持ちにさせてくれた1曲と言えるでしょう!エイジアは良曲目白押しなので、また改めて紹介したいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!