今年も昨年末同様に、1年の締めくくりということで、現代のHM/HRシーンの動きにはとても疎い身なんですけど(汗)、まったりと2021年を振り返ってみましょう〜。
一番強い影響を与え続けてきたコロナ禍から、少し希望の光が見えてきたことが、何はともあれ最もよかった出来事でしょうね。コロナ禍で余裕のある制作期間を生かして創られた作品が、多くリリースされたのも嬉しい状況でした。
とりわけ、アイアン・メイデン、ハロウィンら、ファン層の裾野が広いビッグネームによる、久々のリリースが相次いだことで、シーンが活気づいた印象を受けました。また、ジューダス・プリーストの結成50周年という節目は、ヘヴィ・メタルにとっての半世紀の歴史そのものであり、その振り返りは大きな意味を持つことになりましたね。
節目といえば、1991年から30周年という視点も取りざたされていました。現代のメタルに通ずる重要な節目というポジティヴな見方もあるでしょうけど、筆者のような80sメタルを愛してやまない者にとっては、オルタナ、グランジへの入り口の年であり、悪夢の始まりとして、むしろネガティヴな記憶が蘇る年でもあります。どちらが正しいというわけでなく、これはHM/HRファンそれぞれにとっての受け止め方で変わるでしょう。
日本のHM/HRシーンで注目すべきところでは、BABYMETAL、ラヴ・バイツ、アルディアスといった女性アーティスト達が、それぞれ活動休止やメンバー脱退といった状況に見舞われたことです。今や女性アーティストの存在なしでは成り立たない日本のシーンにおいて、大きな転換点でしたね。
有望なバンドとしてネモフィラ辺りがメディアに取り上げられていますけど、ラウドロック色強めのサウンドと、ヴォーカルのクセの強い唱法が前述のアーティスト達とは違い過ぎて、、微妙にファン層が被らない部分もありそうで、その穴を埋められるのか未知数でしょう。
さて、ライヴシーンに目を移すと、国内のメタル系アーティストのライヴは、徐々に復活傾向に向かいましたね。他の音楽ジャンルに比べると対応の遅さは否めないものの、音楽の特性からいえば仕方ない一面もあるでしょうね。
洋楽関連のライヴも、コロナの感染が終息傾向にあった11月に、キング・クリムゾンの来日が実現したことは、その後の状況を考えるとタイミング的に奇跡だったと思います。
夏場の感染が拡大している時期に、賛否を受けながらもフジロックが、さらに9月にもスーパーソニックが開催されましたけど、トライ・アンド・エラーで進んで行くしかないんでしょうね。色んな意見があるんでしょうが、実際のオーディエンスを迎えたライヴが、少しでも実現された事実が、シーンにとって何らかの前進であると、前向きに受け止めたいところですね。
さて、本来なら"2021年にストリーミングで聴いた新作TOP10"なんていうのをやれたらいいんでけど、どーしてもストリーミングを徘徊していると昔の曲に手が伸びてしまい、そこまで新作をきちんと聴き込めていません(汗)。
個人的に1枚抜けていた新作は、コラムでも取り上げたアウト・オブ・ディス・ワールドのデビュー作でした!
この時代に、ここまで本格的で質の高いメロハーを聴けるとは思ってもいなかったので、嬉しい誤算でした。トミー・ハートにしても、キー・マルチェロにしても、オルタナ・グランジ禍の90年代を耐え忍んだメロハー系アーティストだけに、その底力を改めて見せつけられた気がします。ジャケも今年話題になった、某氏の宇宙旅行っぽくていいじゃないですか笑
とりとめのない散文になってしまいましたけど、来年は、2021年より少しでもHM/HRファンにとってより良い1年になるといいですね!