今朝、X(Twitter)のトレンドの上位に、「ドリーム・シアター」が入っていたので、何かバンドに起こった??と、ちょっと不安に駆られたんですけど、何と、マイク・ポートノイ復帰!の文字が躍ってました~。突然のニュースに驚きつつも、どこか冷静に、やっぱりなあ~という感情が同時に湧いてきました。2010年に脱退したので13年ぶりの復縁なんですね。
ポートノイが脱退してからのドリーム・シアターといえば、もっと凄いドラマーを探してやる!とばかりに、いの一番に行われたドラムオーディションが思い出されます。
上手いドラマーの叩く姿を見るのが、ジャンルに限らず個人的に大好きなので、超絶技巧ですでにドラマー界に名を馳せる、選りすぐり猛者どもが世界中から集められ、個性的なドラムセットを持ち込んで叩きまくる姿は、単純にエンタメとして楽しめました。楽曲の同じパートを叩いてるのに、ドラマーによって全く解釈が違う点も興味深かったですしね。
そんな世界に向けて公開されたオーディションを勝ち抜いたことで、ファンに高い納得感を与えて後任を務めてきたマイク・マンジーニでしたが、結局はあの大仕掛けを経ながらもポートノイに戻ったわけで、時の流れを感じずにはいられません。
一方のマイクも、衝撃の脱退後は、アヴェンジド・セヴンフォールドに始まり、アドレナリン・モブ、ザ・ワイナリー・ドッグス、トゥイステッド・シスター、サンズ・オブ・アポロなどなど、スティックを持った渡り鳥状態で、腰を落ち着けることはありませんでした。
どれもドリーム・シアターとは音楽性を異とするバンドを歴任してきたわけで、ポートノイの技量的なポテンシャルを考えてしまうと、ちょっと勿体ないなあというか、これじゃないだろと思える仕事も、正直言って無くはなかったと思えます。
両者が離れていた13年間を改めて振り返ると、好き同士なのになぜかちょっとしたボタンのかけ違いで別々の道を歩む羽目になり、お互いを一生懸命に忘れようと、どちらもそれなりに無理してきた(笑)。そんな風にも見えますよね~。
ドリーム・シアターには、いつまでもポートノイの呪縛が見え隠れしていましたし、逆にポートノイにしても、元ドリーム・シアターの呪縛から放たれることはなかった。だからこそ、時間はかかりましたけど、今回の突然の発表も妙にしっくりくる、収まるべくしてようやく収まった、元サヤ感を強く感じました。
やはり、単なるテクニックの問題ではなく、ポートノイが発するビート感、オカズのセンスなど、よりドリーム・シアターらしい音楽をカタチ創る上で、欠かせない要素であるのは間違いないでしょう。
各人から発せられたコメントを見ても、そうした戻るべくして戻ったことを、強く裏付けるものでしたね。
当事者のマンジーニは、怒りを露わにすることもなく、「今回のバンド側の決断を理解できる」と言ってるのが全てでしょうね。そして、「いつかポートノイが戻るまでバンドを継続させたんだ」という自負に溢れたものでした。
マジェスティ時代からの盟友のペトルーシに加え、あの寡黙なマイアングまでもが、マンジーニの貢献に敬意を表しつつ、ポートノイの復帰に興奮を隠しきれない様子が、そのコメントから伺えます。それはラウリエ、ルーデスも同様ですね。
そして、ポートノイの「ホームに戻る」「わが家が一番!」という高揚したコメントは、「長い旅に出てたけど、ようやく帰ってきた!」喜びに溢れており、結局、一番戻りたかったのは、出ていった本人だったのかもしれません。
さて、マイク脱退前の最後の作品が、2009年の『Black Clouds & Silver Linings』ですが、それ以来の新作の制作にも着手するぞ!というアナウンスもされています。果たして初期作品に近い原点回帰になるのか?はたまた、この13年間でお互いが積み上げてきたキャリアを融合し、新たな音世界を創り上げるのか?復帰第一弾は相当に期待度も高いでしょうし、完成したら、大きな話題を呼ぶのは間違いないでしょう。
ドリーム・シアター、ポートノイ、大半のファン(マンジーニ派は除く)の三方でWin-Win-Winとなった今回の発表、バンドという集合体の人間関係は、いつの時代もホントに不可解で興味深いものですね!
余談ですけど、こうしたオリジナルメンバーの復帰というニュースの際に、必ずよぎるのがジューダス・プリーストのお家騒動。紆余曲折経ても、ドリーム・シアターみたくハッピーエンドにならないものでしょうか。。
今日はこの知らせを受けて、基本に戻り、名作からお馴染みの名曲(キーボードは違いますけど、、)を、久々にストリーミングで聴いてみたいところです。Spotifyの再生回数は持ち曲の中でやはりトップで、約6200万回はスゴイですね!