アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド、ドリーム・シアター( DREAM THEATER)の元シンガー、チャーリー・ドミニシ(Charlie Dominici)が、72歳で亡くなりました。日付は現時点で不明ですが、2023年11月17日にバンドメイトだったマイク・ポートノイがSNSで公表しました。
ドリーム・シアター関連では、マイク・ポートノイ復帰のニュースが先日発表されたばかりですが、今回は残念なニュースの方でしたね。。マジェスティ時代の前任者、クリス・コリンズの後任シンガーとして加入したチャーリーは、ドリーム・シアターとしての衝撃のデビューアルバム『When Dream and Day Unite』をメンバーともに作り上げました。
しかしながら、この1枚だけでさまざまな意見の相違から程なくして両者は別れてしまいます。当時行った1992年の初来日公演時には、すでにジェイムズ・ラブリエがシンガーを務めたため、チャーリーのボーカルでもライヴで一度聴いてみたかったなあと思った記憶がありますね。
今やドリーム・シアターのシンガーといえばラブリエしか頭に浮かばないのは当然ですけど、1枚目にして名作となった『When Dream and Day Unite』でシンガーを務め、素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれた事実は永遠と言えるでしょう。
複雑で密度の濃い演奏から、まるで浮かび上がるような抜けの良いハイトーンボイスは、ドリーム・シアターのサウンドにラブリエとは違ったテイストを加えてくれました。何より、あの難しい展開の楽曲を歌いこなすのは、並みの音楽的素養や能力のシンガーでは不可能でしょうね。
80年代当時、メンバーとはあっけなく離れてしまったものの、今回マイク・ポートノイはすぐさま悲痛な追悼コメントを発表しました。マイクとチャーリーは、脱退後もずっと長年友人関係を続けており、先日の復帰も喜んでくれたようで、そのコメントからもチャーリーに深いリスペクトを抱いていたことが伺えました。
もしかして、マイクが復帰したタイミングで、15周年の時のように歴代のシンガーとしてライヴのゲストに再び呼ばれるサプライズが実現したかも?と考えると、残念な限りです。
追悼の1曲は、名曲「A Fortune in Lies」をピックアップしてみました。チャーリーの力強く突き抜けるハイトーンボイスを初めて体験したこの曲を聴きながら、ご冥福をお祈りしたいと思います。
R.I.P. Charlie Dominici